隠し砦の三悪人<普及版>

隠し砦の三悪人<普及版>
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カスタマーレビュー

黒澤監督映画屈指の作品で活写される庶民のエネルギーとそこから学ぶ姫の聡明さ  (2008-10-17)

本作が黒澤明監督の映画のうち芸術性・娯楽性の両面で屈指の作品であることは多くの人が認めることであり、私も同意見。又七(藤原釜足)、太平(千秋実)の、時に真壁六郎太(三船敏郎)を交えての滑稽なやりとり、六郎太の疾走する馬上での見事な奮戦、六郎太と田所兵衛(藤田進)の槍での息がつまるような一対一の戦い、捕らえられた雪姫(上原理佐)が凛として逃避行での自分の成長を語り、それが痛快な敵陣突破へと一気につながる劇的な展開、そして山道を駆け抜ける三騎を望遠で捉える場面の爽快さ等、名場面に事欠かない。既に他の方が多くを語っているので、私が付け加えることはほとんどないが、一点指摘させて頂くと、黒澤監督は「七人の侍」の最後の「勝ったのはあの百姓たちだ」という台詞に象徴されるように、侍を描いた映画でも庶民のエネルギーを活写することを忘れない人だということ。本作でも雪姫たちが巻き込まれる一夜の夢のような火祭りを丹念に描いている点が監督らしい。祭りでの「人の命は火と燃やせ」で始まる素朴な歌には心を揺さぶられる。後で雪姫はあの祭りは殊に面白かったと振り返り、城の中では味わえない人の美しさ・醜さを体験できたことがいかに自分を成長させたかを語り、周りの人の心を動かす。この雪姫が一気に心情を吐露する場面は、ある意味本作の白眉だ。短期間で庶民の行動から多くを学んだ聡明な姫を演じた、新人・上原美佐の演技の冴えには惚れ惚れする。あっという間に芸能界を引退したのは惜しいが、あのように劇中の人だけでなく観衆を感動させる名場面を残したことで人々の記憶に永遠に残る女優となった。このように、黒澤映画で祭り・踊り・歌に代表される庶民の活力に注がれる監督の視線に注意すると、楽しみが増しますよ。


姫!  (2008-09-22)

すでに皆様方も書かれているように、
黒沢作品の中でもエンタメ感が強く、
展開もコミカルで、人物面々も個性があふれています。
割と黒澤さんの作品は、エンタメ的でも「うーん」
と考えさせられることが多いと思うのですが、
これは、こころから安心して、楽しんでみることが
できると思います。

個人的には、やはり姫!の存在。
背筋がぴん!と伸びて、快活で豪放な姿は本当に麗しい。
特にラストシーンでは、まさに「お姫様」
な出で立ちで登場するのに、交わす言葉は
肝の据わった君主そのもの。
ちょっとした“ギャップ”がそこでは見られる
わけですが、そうした相対するイメージこそが
姫君の猛々しくも高貴な美しさを際立たせている
ようで、よっ、あっぱれ〜〜!です。


コンキチ&ナターシャの絵本ナビ  (2008-09-22)

隠し砦の三悪人は狂言回しの太平と又七はC-3POとR2-D2の
モデルになっているが、コミカルなボケと突っ込みの中に
人間の弱さや日本人が本来持っている忠誠心を挿み、主役の
三船敏郎演じる真壁六郎太の身分に相応しい正義感が随所に
散りばめられ作品を奥深いものに仕上げている、監督率いる
脚本陣に最大限の賛辞を送りたい。
六郎太は、太平と又七の欲に付け入って黄金を背負わせ
雪姫の身を守りながらも敵地を通って、友好国の早川領へ
抜ける作戦を決意し、何度も訪れる絶体絶命のピンチを
機転を利かせることで、すんでのところでかわし国境越えを
果たすまでの黒澤作品随一の冒険活劇に仕上がっています。
もうとにかく落城した城の埋蔵金探しのため、落ち武者に
穴を掘らせ逆に反逆に遭う場面の壮大さや三船敏郎の馬術の
見事さにも圧倒され堪能しました。
最後の太平と又七が雪姫から大判一枚を褒美に頂き「仲良う
お分け、喧嘩はだめ」と釘を刺される場面で全てが救われ
肩を寄せ合い国に帰ってゆくところで 終 となります。
日本人が戦前まで持っていた大和魂ともいえる人間がこの
作品には確かに存在していました。


黒澤監督がモノクロで描いた絵巻物の様な痛快冒険時代劇  (2008-08-04)

百姓の太平(千秋実)と又七(藤原釜足)は、偶然にも秋月領内で金を見つけます。 その後、彼らは秋月の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)、雪姫(上原美佐)と共に秋月の隠し砦から敵の山名領を通って、味方の早川領へ金二百貫を運び出すことになります。

秋月領から山名領へ入る時、4人は機転を効かせ、うまく関所を通り抜けます。その夜、木賃宿で、人買いに買われていた秋月領の女(樋口年子)を雪姫は六郎太に買い戻させます。

その女が連れの一人に加わった辺りからテンポもグッと上がり、スリルとアクションとヒューマンドラマの展開となります。

この途中から加わった女は、自分の命を顧みず雪姫を守ろうとします。 彼女が加わったおかげで、作品に深みも付きいたと思います。 人間、やはり”自己犠牲”の精神には感動します。 (この女優さんは、「椿三十郎」でも 一旦 逃げ出した城代家老の屋敷から、皆の為にまた敢えて戻った”侍”こいそ、です)

そして、この作品を観た世界中の人が「オォォォーーーーーーー」と驚愕してしまうシーンがあります、
三船敏郎(敢えて真壁六郎太とは表記したくない!)が、馬にまたがり、手綱を持たず、抜いた刀を両手で構えて、敵の二人の雑兵を猛烈な勢いで追いかけるシーンは、本当に凄い、大迫力です。

終盤、敵の山名に捕らわれた雪姫が山名の侍大将、田所兵衛(藤田進)に向かってこんなセリフを言います、
「人の情けを生かすも殺すも、己の器量次第じゃ」、、、納得。

山名領からの脱出劇の最後は、「己の器量次第じゃ」と言われた田所兵衛が「裏切り 御免!」で締め括ってくれます。

山名領から味方の早川領へ4人が突破する時の音楽もまた見事で、観てる僕たちも駆け出したくなる様な、4人を応援したくなる様な素晴らしさです。

黒澤監督の白黒作品ですが、雄大な絵巻物の様な痛快冒険時代劇だと思います。


リメイクの無駄  (2008-06-25)

シネスコ、モノクロを見事に表現した傑作だ。カラーとは当たり前の、目から入る情報量。それがモノクロになると、色が無いから人間の脳は想像を始める。モノクロこそ、脳にとって刺激なのだ。映画もモノクロから、カラーになって斜陽化した。カラーは非常に難しいのだ。それをカラー、CGでリメイクする無謀さ。黒澤が「天国と地獄」をカラーで撮り始めたが、色が出ないと言ってモノクロに切り替えた。その意味をリメイクする連中は解っているのか?なんでもアメリカの真似でCGこそが映画だと思っていると、また映画から客がいなくなる。


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